紀伊上臈杜鵑草(キイジョウロウホトトギス)はユリ科ホトトギス属の多年草である。
日本固有種である。
紀伊半島にのみ分布し、山地の沢や湿った崖に生える。
「上臈」というのは江戸幕府大奥の職名で、優雅な貴夫人を意味する。
環境省のレッドリスト(2007)では、「IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類(EN)に登録されている。
四国に生育する上臈杜鵑草(ジョウロウホトトギス)と似ているが、葉がより細く、光沢がある。
草丈は40センチから80センチくらいである。
茎は垂れ下がる。
葉は披針形(笹の葉のような形)で、互い違いに生える(互生)。
茎が葉のつけ根を突き抜いている。
開花時期は9月から10月である。
茎先や葉の脇に花をつける。
花は筒のような形をしており、半開きで下を向いて咲く。
花の色は光沢のある鮮黄色で、内側に紫褐色の斑点がある。
花びら(花被片)は6枚で、真ん中に6本の雄しべと1本の花柱(雌しべ)がある。
花のつけ根には球形の膨らみがあり、距と呼んでいる。
中には蜜がある。
写真は10月につくば植物園で撮った。
学名:Tricyrtis macranthopsis
★鮮やかな黄花の奥に秘めたるは
雅に満ちた煩悶の色
花図鑑
今日の花ドットコム
|
|